Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
中島 宏; 中村 剛実; 小林 仁*; 田中 進*; 熊田 博明*
NEA/NSC/R(2021)2 (Internet), p.142 - 151, 2021/12
病院に設置可能なホウ素中性子捕捉療法(BNCT)施設の開発を目指して、茨城中性子医学研究センターでは、筑波大学, 日本原子力研究開発機構, 高エネルギー加速器などの協力の下、加速器ベースのBNCT施設が開発されている。本装置は、80kWの最大ビームパワーを持つ陽子加速器と、ターゲット, モデレータ, コリメータ, シールド(TMCS)システムで構成されている。設計概念のために、BNCTビーム条件を満たし、低放射化を達成するために、TMCSシステムにおける放射線挙動はモンテカルロ法により計算され、その結果に基づいてTMCSの構成が最適化された。また、TMCSシステムの放射線計算結果をいくつかの実験により検証し、BNCTへの適用性を示した。本報告では施設開発のための評価と検証についてレビューする。
Kim, B. K.*; Tan, L.*; 酒瀬川 英雄; Parish, C. M.*; Zhong, W.*; 谷川 博康*; 加藤 雄大*
Journal of Nuclear Materials, 545, p.152634_1 - 152634_12, 2021/03
被引用回数:1 パーセンタイル:15.7(Materials Science, Multidisciplinary)Understanding the effects of helium on microstructures and mechanical properties of reduced-activation ferritic-martensitic steels is important to use of these steels in fusion reactor structures. 9Cr-2WVTa steels were doped with Ni and Ni isotopes at 2 weight percent to control the rate of transmutation helium generation. The samples were irradiated in the High Flux Isotope Reactor. Transmission electron microscopy revealed a variety of precipitates and the radiation-induced dislocation loops and cavities (voids or helium bubbles). Tensile tests of the irradiated samples at the irradiation temperatures showed radiation-hardening at 300C and radiation-softening at 400C. Analysis indicates that the hardening primarily originated from the loops and cavities. The Ni-doped samples had greater strengthening contributions from loops and cavities, leading to higher hardening with lower ductility than the Ni-doped samples. The greater helium production of Ni did not show pronounced reductions in ductility of the samples.
安堂 正己; 野澤 貴史; 廣瀬 貴規; 谷川 博康; 若井 栄一; Stoller, R. E.*; Myers, J.*
Fusion Science and Technology, 68(3), p.648 - 651, 2015/10
被引用回数:4 パーセンタイル:32.95(Nuclear Science & Technology)照射下クリープに及ぼすヘリウムの影響を調べるために、F82H鋼およびボロン添加したF82H鋼の圧力管を準備し、573Kおよび673Kにて6dpaまでの中性子照射を行った。照射後、これらの圧力管の径を非接触型レーザーシステムにて測定し、クリープひずみの解析を行った。この結果、573K, 673Kにて照射されたF82H鋼のクリープひずみは約260MPaおよび170MPaの応力までそれぞれ直線的に増加することがわかった。特に673K照射材では、いくらかのBN添加F82H鋼のクリープひずみは、ヘリウムの発生しないBN添加F82H鋼に比べて増加する傾向にあった。この原因として、ボロンによって発生したヘリウムによりバブルが形成し、わずかなスウェリングが生じたためと考えられる。
古谷 一幸; 若井 栄一; 宮本 賢治*; 秋場 真人; 杉本 昌義
Journal of Nuclear Materials, 367-370(1), p.494 - 499, 2007/08
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Materials Science, Multidisciplinary)本研究は、F82H鋼による増殖ブランケット構造体部分モックアップのHIP接合部の微細組織観察,元素分析、及び中性子照射後の機械特性に関するものである。非照射段階において、HIP接合部のTEM観察及びTEM-EDX分析などを行った結果、HIP境界には母相の結晶粒界と同等のMCが多数認められた。JMTRにて約523Kで約2dpaまでの中性子照射の後、295Kと523Kにて引張り試験を行った結果、照射後引張り特性はIEA材と比較しやや低下したものの、破断部の金相観察の結果、HIP境界での破断は生じていないことを明らかにした。
飛田 健次; 西尾 敏; 榎枝 幹男; 佐藤 正泰; 礒野 高明; 櫻井 真治; 中村 博文; 佐藤 聡; 鈴木 哲; 安堂 正己; et al.
Fusion Engineering and Design, 81(8-14), p.1151 - 1158, 2006/02
被引用回数:124 パーセンタイル:99.05(Nuclear Science & Technology)原研における発電実証プラント設計検討では、中心ソレノイド(CS)の機能に着目して3つの設計オプションを検討中である。これらのうち、主案はCSの機能をプラズマ形状制御に限定してコンパクトにすることによりトロイダル磁場コイルの軽量化を図ったものであり、この設計オプションの場合、主半径5.5m程度のプラズマで3GWの核融合出力を想定する。本プラントでは、NbAl導体による超伝導コイル,水冷却固体増殖ブランケット,構造材として低放射化フェライト鋼,タングステンダイバータなど近未来に見通しうる核融合技術を利用する。プラントの設計思想及び要素技術に対する要請を述べる。
西尾 敏; 大森 順次*; 黒田 敏公*; 飛田 健次; 榎枝 幹男; 鶴 大悟; 廣瀬 貴規; 佐藤 聡; 河村 繕範; 中村 博文; et al.
Fusion Engineering and Design, 81(8-14), p.1271 - 1276, 2006/02
被引用回数:20 パーセンタイル:78.77(Nuclear Science & Technology)2020年頃の運転開始を想定したトカマク型発電実証プラントのブランケットについて構造体としての側面から考察を行った。比較的近未来を想定しているため前提となる要素技術に過度に先進的と考えられる技術を導入することは避けた。特に留意した点は、高い稼働率の実現に鑑みてブランケットの保守方式にはセクター一括引き抜きのいわゆる、ホットセルメインテナンス方式を導入した。本方式を導入することによって強固な電磁力支持構造を確保しながら要求されるトリチウム増殖率を確保し、前述の高稼働率を得る見通しが得られた。
大久保 成彰; 若井 栄一; 松川 真吾; 谷川 博康; 沢井 友次; 實川 資朗; 大貫 惣明*
Materials Transactions, 46(8), p.1779 - 1782, 2005/08
被引用回数:1 パーセンタイル:16.26(Materials Science, Multidisciplinary)核融合中性子照射がもたらす核変換生成Heと弾き出し損傷の影響を調べるために、B添加した鋼に核分裂炉照射を行う手法がしばしば用いられる。BをF82H鋼に添加すると、靭性が低下する場合があるが、BN化合物を形成するNを同時に添加(F82H+B+N)すること及び、熱処理条件の調整により、Bを添加しない場合と同様な特性とすることができた(前報)。ここでは、F82H+B+N材の引張特性,シャルピー衝撃特性、さらにイオン照射による硬化挙動について報告する。なお、照射硬化の評価には極微小硬さ試験機を用いた。シャルピー試験による延性-脆性遷移温度は、焼き戻し温度が750C(30分)の場合、F82H鋼と同等で約-100Cであったが、焼き戻し温度を低くすると約50C上昇した。このとき、降伏応力も増加を示した。イオン照射による硬さ変化は、この損傷領域では焼き戻し温度によらずほぼ一定であり、これはF82H鋼の場合と同様である。以上のように、F82H+B+N材では、B単独添加やNi添加鋼の場合のような照射による顕著な硬化はみられなかったことから、核分裂炉照射によるHe効果の評価精度向上が期待できる。
大久保 成彰; 若井 栄一; 松川 真吾*; 古谷 一幸; 谷川 博康; 實川 資朗
Materials Transactions, 46(2), p.193 - 195, 2005/02
被引用回数:1 パーセンタイル:16.26(Materials Science, Multidisciplinary)核融合炉構造材料の第一候補材であるF82H鋼において核変換生成物であるHe原子の影響を評価することは重要である。HFIRやJMTR炉でこの影響を評価するための模擬試験材としてF82H鋼にB単独及びB+Nを同時添加した試料を作製した。無添加材と比較して、B単独添加材の靭性は低下したが、B+N同時添加材では低下しなかった。今回は、BとNの添加による靭性の変化と微細組織,結晶(旧オーステナイト)粒径及びB等の元素分布との相関関係を調べた。結晶粒径及び微細組織を評価するために組織観察及びTEM観察を行った。また、B等の元素分布を調べるためにTOF-SIMSによる面分析を行った。光学顕微鏡観察の結果、結晶粒径はB単独添加により増大したが、B+N同時添加では無添加材と同等であった。TEM観察の結果、B添加材中の炭化物のサイズは、他の試料より大きかった。SIMS測定の結果、B添加材では粒界への顕著な局在化が生じ、B+N同時添加によりこの局在化は抑えられる傾向を示した。以上の結果から、B添加材のDBTT上昇の原因は、Bの局在化及び炭化物の粗大化によるものと考えられる。B+N同時添加によりBは均一に分散したことから、中性子場の模擬試験材として使用可能である。
安堂 正己; 若井 栄一; 沢井 友次; 松川 真吾; 内藤 明*; 實川 資朗; 岡 桂一朗*; 田中 典幸*; 大貫 惣明*
JAERI-Review 2004-025, TIARA Annual Report 2003, p.159 - 161, 2004/11
ブランケット構造材料の候補材料である低放射化フェライト鋼では、照射による靭性の低下(延性脆性遷移温度の上昇)が重要な課題となっている。本研究では、低放射化フェライト鋼F82Hに対して、照射硬化が、靭性の低下と大きな関連を有することに着目し、特にヘリウムによる硬化促進及び高照射量での硬化挙動について、TIARAによる多重ビーム照射を用いて調べた。まずヘリウムがない場合における、照射硬化の照射量依存性を調べた結果、633Kにおいては、30dpaまで硬化は増加する傾向にあるが、それ以上の照射量においては飽和傾向を示すことが明らかとなった。さらに同照射温度にて、ヘリウムが照射硬化の促進に及ぼす影響について、ヘリウム注入比を10/100appmとしてそれぞれ比較した結果、1000appmを超えるとわずかな硬化の促進が見られるが、約3300appm(ヘリウム注入条件100appmHe/dpa)の場合においては、20%程度の硬化量の促進が生じることがわかった。
石山 新太郎
日本原子力学会和文論文誌, 3(3), p.288 - 297, 2004/09
低放射化/軽量材料のSi/xSiC金属マトリックス複合材と高強度/項熱伝導SiCを用いて核融合炉用ターゲットプレートモデル試験体を試作し、5MW/m30secの熱負荷試験を実施し、試作モデルに異常のないことを検証した。
物質科学研究部; 核融合工学部(東海駐在)
JAERI-Review 2004-018, 97 Pages, 2004/08
低放射化フェライト鋼F82H及び数種の類似鋼を対象に、ここ数年間に渡り照射挙動の評価を精力的に実施してきた。この結果、使用下限温度の明確化と照射による劣化への対策等を得ることを目指す高照射量実験について、(1)弾き出し損傷にして20dpaまで、延性脆性遷移温度(DBTT)の上昇への照射効果の評価を達成し、また、同位体調整したニッケルやホウ素の微量添加手法を用い、(2)DBTT上昇へのHe原子の助長効果についての実験的解析を進め、さらに、(3)高温高圧水中低速引張試験により、環境割れへの照射効果等の概要を得ることができた。加えて、照射後試験装置の開発や関連研究の進捗が得られた。本報告書は、これらの結果をまとめたものである。なお、得られた結果は、低放射化フェライト鋼が核融合炉への使用に対し高い適合性を持つことを示している。
杉本 昌義; 竹内 浩
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part1), p.198 - 201, 2004/08
被引用回数:4 パーセンタイル:29.18(Materials Science, Multidisciplinary)国際核融合材料照射施設(IFMIF)は加速器型中性子源で核融合炉材料開発を行うものであり、安定連続運転の実現が重要である。稼働率向上には、ビーム損失による構成機器の放射化を防ぎ、保守作業開始までの冷却時間の短縮が要である。重陽子及び2次中性子線による放射化を考慮し、1日程度の冷却で保守作業可能な放射線レベルとなるよう、材料選定を行った。加速器には工学的理由から空洞用に銅,ビームダクト用にアルミが使用される。これらが定常的ビーム損失で強く放射化しないよう、損失量を5nA/mまで抑える。その実現にはビームサイズに対し、ビーム通過孔に十分な余裕を持たせるとともに、ビーム径方向に広がる分布のすそ野をカットするためのスクレーパが必要である。候補材としては高Zであるタンタルがよいことがわかり、スクレーパの設置場所や構造,周囲の遮蔽等を決定した。加えて、施設寿命後の放射化量の減衰まで考慮すると、空洞やビームダクトへの低放射化材料コーティング等が重要となる。
廣瀬 貴規; 芝 清之; 沢井 友次; 實川 資朗; 秋場 真人
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part1), p.324 - 327, 2004/08
被引用回数:55 パーセンタイル:94.79(Materials Science, Multidisciplinary)核融合発電実証プラントにおける増殖ブランケット製作技術開発の一環として、製造プロセスにおける熱履歴が低放射化フェライト鋼の材料特性に及ぼす影響について評価を行った。低放射化フェライト鋼に対して、熱間等方圧加圧(HIP)相当の熱履歴与えたところ、0.04%のTaを含むF82H鋼は1313K以上のHIP相当熱処理により結晶粒の粗大化が認められたが、F82H-0.1%Ta添加材では粒成長が抑制された。これは粒成長が粒界の移動を阻害する炭化物(TaC)の溶解によるものであることを示唆している。より高温における接合を考慮した場合、1373K以下での熱処理では、炭化物の分布状況に起因する熱処理以前の粒径の影響が残っていることから、接合処理後の細粒化には、均質化及びTaCの溶解温度以下での焼きならしの2段階の熱処理が必要である。F82H鋼においては、1423K以上における均質化、並びにTaC溶解温度以下(1243K)での焼きならし処理により、加工を伴うことなく結晶粒度7程度の細粒組織が得られることを確認した。
谷川 博康; 橋本 直幸*; 酒瀬川 英雄*; Klueh, R. L.*; Sokolov, M. A.*; 芝 清之; 實川 資朗; 香山 晃*
Journal of Nuclear Materials, 329-333(1), p.283 - 288, 2004/08
被引用回数:19 パーセンタイル:75.17(Materials Science, Multidisciplinary)低放射化フェライト鋼は、核融合炉ブランケット構造材料の候補材料である。これまでの研究により、300C5dpaの中性子照射による鋼の延性脆性遷移温度がF82H(Fe-8Cr-2W-V-Ta)に比べて、ORNL9Cr-2WVTa及びJLF-1(Fe-9Cr-2W-V-Ta-N)が小さいことが明らかになっている。これらの違いは、照射硬化の影響のみでは説明することができない。また一方、Cr量の違いとして解釈できるものでもない。本研究では、これらの鋼の衝撃特性変化の違いについて、その要因を探るべく、微細組織解析を行った、その結果について報告している。
小川 宏明; 山内 有二*; 都筑 和泰; 川島 寿人; 佐藤 正泰; 篠原 孝司; 神谷 健作; 河西 敏; 草間 義紀; 山口 薫*; et al.
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part1), p.678 - 682, 2004/08
被引用回数:4 パーセンタイル:29.18(Materials Science, Multidisciplinary)JFT-2Mでは原型炉の構造材として有力視されている低放射化フェライト鋼(F82H)を段階的に真空容器内に設置して高性能プラズマとの適合性を試験する「先進材料プラズマ適合性試験」を実施している。フェライト鋼はその化学的特性(錆びやすい)から酸素不純物の増加が懸念されている。また、重水素保持特性に関してはこれまで十分なデータの蓄積がない。そこで、フェライト鋼を真空容器内壁の20%に設置した場合と全面に設置した場合の不純物挙動を分光診断で測定した。その結果、真空容器内壁全面に設置した場合であっても、プラズマが直接相互作用をしない位置に設置した場合では、不純物放出が大きな問題とならないことを示す結果を得た。また、フェライト鋼の重水素保持特性では、重水素はおもに酸化層に吸蔵され、機械研摩等により酸化層を除去した状態では、構造材として広く用いられているSUS-316Lと同様であることを示す結果を得た。
都筑 和泰; 篠原 孝司; 神谷 健作; 川島 寿人; 佐藤 正泰; 栗田 源一; Bakhtiari, M.; 小川 宏明; 星野 克道; 河西 敏; et al.
Journal of Nuclear Materials, 329-333(1), p.721 - 725, 2004/08
被引用回数:7 パーセンタイル:45.06(Materials Science, Multidisciplinary)低放射化フェライト鋼は核融合原型炉のブランケットの有力な候補材料であるが、強磁性体であり不純物の吸蔵量も大きいことから高性能プラズマとの共存性の実証が不可欠である。JFT-2Mにおいては、原研炉のブランケット壁を模擬するため、真空容器の内壁全面にフェライト鋼を設置し、適合性試験を行っている。プラズマ生成,制御に関しては、フェライト鋼によって生成される磁場が、外部磁場の10%程度であることを示し、トカマクプラズマが既存の制御系で生成可能であることを示した。さらに、原型炉においても、制御に対する影響はJFT-2Mと同程度と予測されることを示した。また、原型炉で想定されている高規格化ベータプラズマに対する適合性を調べる実験を行い、フェライト鋼壁の存在下でも壁無しの安定化限界に近い、規格化ベータ3.3程度のプラズマが生成できることを実証した。この配位をベースにしてプラズマを全体的に弱磁場側の壁に近付けたところ、ディスラプション直前のモードの成長速度が壁の時定数程度(数ms)まで低減した。これは壁安定化効果の存在を示唆する。その他、低ベータでのロックトモード,Hモード遷移等にも悪影響は観測されておらず、フェライト鋼の原型炉への適用に対し、明るい見通しを与える結果が得られた。
芝 清之; 榎枝 幹男; 實川 資朗
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part1), p.243 - 247, 2004/08
被引用回数:53 パーセンタイル:94.41(Materials Science, Multidisciplinary)低放射化フェライト鋼は日本では核融合炉ブランケット構造材の最有力候補として研究開発が進められている。その開発段階の一つとして、日本のITERテストブランケットは低放射化フェライト鋼F82H鋼を使って製作する予定である。ITERテストブランケットは構造材料は280330Cで約3dpaの中性子照射を受けることになる。またITERはパルス運転となるため、照射下での疲労特性も重要な問題である。さらにテストブランケットはHIPにより製造される予定であることからHIP継手の照射特性についても調べる必要がある。F82H鋼に関してはこれまでに多くの照射,非照射データが取得されており、既にデータベースが構築されている。これらのデータベースからF82H鋼のITERテストブランケット構造材としての適合性を検討するとともに今後どのようなデータを整備する必要があるのかについても議論する。
三輪 幸夫; 實川 資朗; 米川 実
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part2), p.1098 - 1102, 2004/08
被引用回数:11 パーセンタイル:58.46(Materials Science, Multidisciplinary)低放射化フェライト鋼であるF82H鋼の照射後疲労特性を調べ、予備的な試験結果を示した。F82H鋼は523Kで3.8dpaまで中性子照射した後、真空中にて室温から573Kの温度条件でひずみ制御型引張圧縮疲労試験を行った。全ひずみ範囲は0.41.0%であり、歪み速度は0.1%/sとした。室温にて全ひずみ範囲0.4%の条件で疲労試験を行った場合に、照射材では約1/7の大きな疲労寿命の低下が観察された。破面観察の結果から、この疲労寿命の低下は破壊形態がチャンネル破壊に変化したことに起因すると考えられた。試験温度の疲労寿命に及ぼす影響について議論した。
若井 栄一; 田口 富嗣; 山本 敏雄*; 加藤 佳明; 高田 文樹
Materials Transactions, 45(8), p.2638 - 2640, 2004/08
被引用回数:1 パーセンタイル:12.41(Materials Science, Multidisciplinary)核融合炉構造材料の第一候補材料である低放射化フェライト鋼の照射硬化に及ぼす熱遍歴効果を調べた。本研究ではF82H鋼を用いて、焼きならしを1040Cで30分行った後、焼きもどしの温度と時間を変数にして、照射前後の引張り特性変化を調べた。焼きもどしの条件は750C, 780C, 800Cの各温度で30分の熱処理した場合と750Cで30分から10時間まで変化させた場合の試料を用意した。照射はJMTR炉で約250Cにて1.9dpaまで照射した。引張試験にはSS-3タイプの微小試験片を用いて室温から400Cまで試験した。また、照射前の微細組織をTEM観察した。その結果、この低照射量域での照射硬化の変化は焼きもどしの温度の低下とその時間の短縮に伴って減少する傾向にあることがわかった。また、この照射硬化量の低下の原因は焼きもどしの温度と時間によって変化する固溶炭素濃度の低下によって生じる欠陥クラスター形成の減少と転位密度の増加による欠陥クラスターの成長速度の低下によると考えられる。
栗原 良一
JAERI-Tech 2004-052, 39 Pages, 2004/07
核融合動力炉の設計において、コンパクトな炉で高い核融合出力を達成しようとすれば、プラズマから第一壁やダイバータ板上に数MW/mの熱流束と高速中性子束が作用する。その場合、第一壁表面や材料中に微小き裂が発生する可能性は十分考えられる。微小き裂が疲労やクリープなどによって有意な寸法のき裂に成長した場合、第一壁の構造健全性は非常に低くなる。第一壁内をき裂が貫通すれば、核融合炉の安全性を脅かす要因の一つになりうる。本報では、このような使用環境にさらされるフェライト鋼またはSiC/SiC複合材料で製造した核融合炉第一壁が抱える構造健全性上の課題を整理した。